PP(ポリプロピレン)とは
ドイツの化学者カール・チーグラーがチーグラー・ナッタ触媒を発見したことに端を発します。1954年にイタリアのナッタが、モンテカチーノ社との協同でチーグラー型触媒を用いてプロピレンモノマーをはじめて重合しました。 ナッタはこの重合体の分子配列が規則正しく、かつ結晶性を有する事を解明しアイソタクチックポリプロピレンと命名しました。 これがPPの始まりです。ちなみにカール・チーグラーは、1963年にノーベル化学賞を受賞しています。
ポリプロピレンは、炭素と水素からなる重合体(ポリマー)で、汎用樹脂の一種です。ポリプロピレンは、コモノマー(主としてエチレン)との共重合の形態において3種に分類されます。
ホモポリマー
ホモポリマーは、プロピレンだけによる単独の重合体。
ランダムコポリマー
ランダムコポリマーは、エチレンを通常は4.5重量パーセント以下の割合で、共重合体中に含有する。
ブロックコポリマー
ブロックコポリマーは、ホモポリマーの重合に続き、後続の反応槽でエチレンが共重合された、エチレン-プロピレン重合体を含有する組成物。
主に日常でよく使われている家庭用品・雑貨・包装材料などに採用されています。そのなかでもポリプロピレンは、同じ汎用樹脂であるポリエチレンに次いで生産量が多く、幅広い用途で活用されている材料です。
ポリプロピレンの黒点不良問題
オレフィン系に特化した洗浄剤がなく、「洗浄性が良くても置換性が悪い。」「置換性が良いものは洗浄性が劣る。」といったお悩みをよくお聞きします。ecomaruGWPはオレフィン系に優れた効果を発揮する洗浄剤です。解決できない黒点不良や、洗浄後の置換性悩みの解決事例として、パージ剤ecomaruを活用した事例をご紹介いたします。
【事例1】
- 界面活性タイプの洗浄剤を使用していたが黒点発生を抑えられず、仕方なく洗浄剤使用後に分解洗浄を行い不良改善に努めていた。
お客様評価
- ecomaruの採用で、黒点不良率が大幅に減少し歩留まりが改善した。それだけでなく、分解洗浄の手間も削減できたため絶大な生産効率の改善が図れた。
- サンプルによる1回テストではなく、ecomaru資料に記載があった通りに複数回テストを実施した。その結果テストを重ねるごとに洗浄効果が表れ不良率削減が実現できた。
客先情報 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
顧客名 | 生産品 | 成形機 トン数 | 前樹脂 樹脂 | 色 | 後樹脂 樹脂 | 色 | 導入前課題 | ||||
A社 | 衛生資材 | 非公開 | PP | ナチュラル | GPPS | 白 | 異物不良改善 |
Before | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
洗浄剤名 | 使用量 | 2度洗い有無 | 黒点不良率 | ||||||
イ社 | 40kg | 無し | 5~30% |
After | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
洗浄剤名 | 使用量 | 2度洗い有無 | 黒点不良率 | ||||||
ecomaruGWP ecomaruGWS | 30kg | 無し | 0.1% |
【事例2】
- 年間を通してPP成形している機械。これまで生産立ち上げ時に大量の異物が発生して困っていた。
お客様評価
- ecomaruに切替生産を開始したところ、不良率が約1%に抑えられ大幅な歩留まり向上を実現できた。
- 生産立ち上げ時の大掃除用洗浄剤として利用している。
客先情報 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
顧客名 | 生産品 | 成形機 トン数 | 前樹脂 樹脂 | 色 | 後樹脂 樹脂 | 色 | 導入前課題 | ||||
B社 | 工業機械 部品 | 100 | PP | 黒 | PE | ナチュラル | 異物不良改善 |
Before | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
洗浄剤名 | 使用量 | 2度洗い有無 | 黒点不良率 | ||||||
破砕品 | 不明 | 無し | 非開示 |
After | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
洗浄剤名 | 使用量 | 2度洗い有無 | 黒点不良率 | ||||||
ecomaru GWP | 20kg | 無し | 1.00% |
【事例3】
- これまでのパージ剤は、洗浄力はあるがパージ剤自体の排出に難があり、成形材料の切り替えに時間がかかっていた。
お客様評価
- ecomaruを試したところ、パージ剤使用量がおよそ3割削減した。また、課題であった後材料への置換時間は約4割の削減となり、大きな改善結果となった。
- 素早く生産に移行でき、パージ剤や捨て打ちのコスト削減に成功した。
客先情報 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
顧客名 | 生産品 | 成形機 トン数 | 前樹脂 樹脂 | 色 | 後樹脂 樹脂 | 色 | 導入前課題 | ||||
C社 | 自動車用 部品 | 650~ | PP | 黒 | PP | 白 | 洗浄剤 使用量・段取り 時間削減 |
Before | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
洗浄剤名 | 使用量 | 2度洗い有無 | 黒点不良率 | ||||||
ロ社 (GF入り) | 300kg | 無し | 非開示 |
After | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
洗浄剤名 | 使用量 | 2度洗い有無 | 黒点不良率 | ||||||
ecomaru GWP | 200kg | 無し | 非開示 |
ポリプロピレン特性
長所
- 軽量:比重が軽い(0.9)
- 機械強度(引っ張り強度、圧縮強度、衝撃強度)が優れている
- 耐熱温度が高い(熱可塑性樹脂の中で)
- 耐薬品性(酸やアルカリなど)が優れている
- 繰り返しの折り曲げ強い(ヒンジ特性に優れている)
- 表面外観がきれい:表面は硬く、なめらかで傷がつきにくい
- 完全な光沢性の無色透明フィルムができる
- 食品衛生性に優れる
- 加工性が良く、射出成形や押出、ブロー成形など様々な成形法に対応できる
- 安価に大量生産しやすい
短所
- 耐候性が悪く、直射日光など紫外線による劣化が早い
- 接着がしにくい
- 印刷しにくい
メーカー
メーカー | 製品名 |
---|---|
出光ファインコンポジット | CALP |
SABICジャパン | スタマックス 樹脂 |
サンアロマー | サンアロマー,クオリア |
住友化学 | 住友ノーブレン,スミストラン |
住友精化 | フローブレン |
ダイセルミライズ | ダイセルPP |
髙六商事 | TRレジン |
テラボウ | テラボウレジン |
日本ポリプロ | ノバテックPP,ウィンテック,ファンクスター |
プライムポリマー | プライムポリプロ,モストロン |
主な用途
【車載関係】
自動車用バンパーや内装材、速度メーター、車内ディスプレイ など
【食品関係】
食品用ラップフィルムやお弁当箱やコーヒーの蓋、ボトルキャップ、飲料容器、コンビニ食品容器、トレイ、洗剤容器 など
【家電関係】
洗濯機や冷蔵庫、テレビ、スマホ、パソコン など
【医療関係】
注射器や輸血バッグ、医薬包装 など
【その他】
バケツ、お風呂用具、包装フィルム、産業用フィルム、住宅設備、コンテナ、日用品、紐、ロープ、オムツ、カーペットや下着や靴下の原料繊維 など